REAL ANALYSIS DATA
分析結果・実測データ集
にじや分析ラボで実際に測定した分析結果をご紹介します。
元素組成、XRFスペクトル、材質評価、比較分析、
RoHS・有害元素、膜厚・めっき分析など、
実測データをもとに「何が分かるのか」をご覧いただけます。
カタログではなく、
実際に測定した分析データ
本ページでは、にじや分析ラボで実際に測定した試料と 分析結果を公開しています。 装置の紹介ではなく、 実際に得られた測定値・スペクトル・評価をご覧いただけます。
実測データ No.001 /EDX-7200へセットしたステンレス試料
ステンレス鋼の
元素組成分析
ステンレス試料を島津製作所 EDX-7200で測定しました。 元素組成とXRFスペクトルを取得し、 材質評価に利用できる基礎データを確認しています。
- 測定装置:島津製作所 EDX-7200
- 分析径:10mm
- 測定雰囲気:大気
- 測定条件:4_Detail/6ch Air-Metal
- Fe:65.898%
- Cr:18.181%
- Ni:11.817%
- Mo:1.687%
実際の分析結果と
XRFスペクトル
上記ステンレス試料をEDX-7200で測定した 実際の分析結果です。
EDX-7200 実測結果 /定量分析結果・XRFスペクトル
Fe・Cr・Ni・Moを
主成分として確認
Feを主成分としてCr、Ni、Moなどを確認しました。 ステンレス鋼の材質評価に利用できる 元素組成が得られています。
| Fe(鉄) | 65.898% |
|---|---|
| Cr(クロム) | 18.181% |
| Ni(ニッケル) | 11.817% |
| Mo(モリブデン) | 1.687% |
| Mn(マンガン) | 1.141% |
| Si(ケイ素) | 0.666% |
| Cu(銅) | 0.456% |
マウス外装樹脂の
有害7元素スクリーニング
マウス外装樹脂を島津製作所 EDX-7200で測定し、 Cd・Pb・Hg・Cr・Br・Cl・Sbの7元素をスクリーニングしました。
実測データ No.002 /有害7元素スクリーニングを実施したマウス外装樹脂
樹脂中の7元素を
XRFで一次確認
樹脂用スクリーニング条件で測定し、 対象7元素の含有状況を確認しました。 本測定はRoHS適合証明ではなく、XRFによる一次スクリーニングです。
- 測定装置:島津製作所 EDX-7200
- 分析グループ:ScreeningPlastic
- 分析径:10mm
- 前処理:なし
- 対象元素:Cd・Pb・Hg・Cr・Br・Cl・Sb
- 分析日:2026年8月31日
EDX-7200 実測結果 /Cd・Pb・Hg・Cr・Br・Cl・Sbのスクリーニング結果
Br(全臭素)を
1,003.2 ppm検出
7元素のうち、Br(全臭素)が1,003.2 ppm検出されました。 にじや分析ラボでは装置表示だけで結論を出さず、 測定値とXRFで確認できる範囲を踏まえて評価します。
| Cd(カドミウム) | 0.9 ppm | 低濃度域 |
|---|---|---|
| Pb(鉛) | 17.4 ppm | 低濃度域 |
| Hg(水銀) | ND | 検出下限未満 |
| Cr(全クロム) | 6.6 ppm | 低濃度域 |
| Br(全臭素) | 1,003.2 ppm | 確認分析推奨 |
| Cl(塩素) | 278.5 ppm | 検出 |
| Sb(アンチモン) | 168.1 ppm | 検出 |
XRFでは臭素元素の含有量を測定できますが、 臭素の化学形態までは識別できません。 そのため、本結果のみからRoHS規制対象であるPBB・PBDEの含有量や 適否を確定することはできません。 PBB・PBDEについて適合性の確認が必要な場合は、 別法による確認分析を推奨します。
不明金属の
材質評価
材質が不明な金属試料について、左・中央・右の3箇所を測定し、 3点平均の元素組成からSUS304/316/317系との比較評価を行いました。
実測データ No.003 /材質評価のため左・中央・右の3箇所を測定した不明金属試料
3箇所を測定し、
平均組成で材質を比較
1箇所だけの測定値で判断せず、試料の左・中央・右を同一条件で測定しました。 3点の平均組成を求め、ステンレス鋼の比較候補との組成傾向を確認しています。
- 測定装置:島津製作所 EDX-7200
- 測定箇所:左・中央・右の3箇所
- 分析径:10mm
- 測定雰囲気:大気
- 測定条件:4_Detail/6ch Air-Metal
- 評価方法:3点平均の元素組成を比較
- 比較候補:SUS304系/SUS316系/SUS317系
EDX-7200 実測・比較結果 /左・中央・右の3点平均とSUS304/316/317系の比較
比較候補の中では
SUS316系に最も近い組成傾向
左・中央・右の3箇所で得られた測定結果を平均し、 SUS304系、SUS316系、SUS317系を比較候補として元素組成の傾向を評価しました。
| 比較候補 | 3点平均との比較評価 |
|---|---|
| SUS304系 | 比較候補として検討 |
| SUS316系 | 最も近い組成傾向 |
| SUS317系 | 比較候補として検討 |
3点平均の元素組成を比較した結果、今回設定した比較候補の中では SUS316系に最も近い組成傾向と評価しました。 本評価はXRFで測定できる元素組成に基づく比較評価であり、 鋼種を規格上確定するものではありません。
外観が似た2製品の
元素組成比較
外観・用途が似た2本のモンキーレンチについて、 それぞれ2箇所を同一条件で測定し、 測定面から得られた元素組成を比較しました。
実測データ No.004/外観・用途が似たモンキーレンチ製品A・製品B
各製品2箇所を測定し、
平均組成を比較
1箇所だけの測定値で比較せず、製品A・製品Bをそれぞれ2箇所ずつ 同一条件で測定しました。主要元素の平均値を求め、 2製品間の組成傾向を比較しています。
- 測定装置:島津製作所 EDX-7200
- 比較試料:製品A・製品B
- 測定箇所:各2箇所
- 分析径:10mm
- 測定雰囲気:大気
- 測定条件:4_Detail/6ch Air-Metal
- 比較方法:各2点平均の元素組成を比較
EDX-7200 実測・比較結果/製品A・製品Bの各2箇所測定と主要元素の2点平均比較
2製品の測定面で
異なる元素組成を確認
製品A・製品Bをそれぞれ2箇所測定し、 主要元素Ni・Fe・Crの平均値を比較しました。 別箇所での再測定でも各製品に共通する組成傾向が確認されています。
| 主要元素 | 製品A平均 | 製品B平均 |
|---|---|---|
| Ni(ニッケル) | 81.064% | 91.268% |
| Fe(鉄) | 15.116% | 4.761% |
| Cr(クロム) | 2.184% | 3.684% |
各2箇所の測定結果を比較したところ、製品Bは製品Aと比較して Niが高く、Feが低い傾向を示しました。 またCrについても両製品で差が確認されました。 別箇所での再測定でも同様の傾向が得られており、 今回測定した表面では製品Aと製品Bで異なる元素組成傾向が確認されました。
研磨深さによる元素組成変化と
多層構造評価
表面処理された六角レンチホルダーについて、 未研磨・超軽研磨・深研磨の3状態を同一条件で測定し、 研磨深さに伴う元素組成の変化から層構造を評価しました。
実測データ No.005 /研磨深さを変えて元素組成を比較した六角レンチホルダー
表面を段階的に研磨し、
元素組成の変化を比較
表面を未研磨、超軽研磨、深研磨の3段階で測定し、 Ni・Cr・Cu・Feの変化を確認しました。 表面側から母材側へ進むにつれて主要元素の比率が大きく変化しています。
- 測定装置:島津製作所 EDX-7200
- 試料:六角レンチホルダー
- 測定状態:未研磨/超軽研磨/深研磨
- 分析径:1mm
- 測定雰囲気:大気
- 測定条件:4_Detail_1mm/6ch Air-Metal
- 評価対象:Ni・Cr・Cu・Feの組成変化
EDX-7200 実測・比較結果 /未研磨・超軽研磨・深研磨の元素組成変化
研磨深さに伴い
Ni・Cu・Feの支配成分が変化
未研磨面ではNiが主体でCrを確認し、 超軽研磨ではCuが大きく増加しました。 深研磨ではFeが98.416%となり、 母材側のFe系組成が確認されました。
| 状態 | 主な測定結果 |
|---|---|
| 未研磨 | Ni 92.086%/Cr 4.873% |
| 超軽研磨 | Ni 68.392%/Cu 28.682% |
| 深研磨 | Fe 98.416% |
研磨深さに伴う元素組成の変化から、 表面側にCr・Ni、その下にCu、母材側にFeが存在する Cr/Ni/Cu/Feの多層構造を推定しました。 この層構造をもとにEDX-7200の薄膜FP法による膜厚分析条件を作成しました。
4層モデルによる
膜厚算出結果
| 層 | 設定材質 | 算出膜厚 |
|---|---|---|
| 第1層 | Cr | 0.047 µm |
| 第2層 | Ni | 5.319 µm |
| 第3層 | Cu | 415.237 µm |
| ベース | Fe | ― |
購入時期が異なる同一製品の
サイレントチェンジ調査
同一メーカー・同一製品のマグネットクリップについて、 購入時期が5年以上異なる旧購入品Aと新購入品Bを同一条件で測定し、 表面近傍の元素組成に変化があるか比較しました。
実測データ No.006 /購入時期が5年以上異なる同一製品の旧購入品A・新購入品B
購入時期の異なる2製品を
同一条件で比較
局所的な測定位置の影響を抑えて製品間の組成傾向を比較するため、 最終比較では分析径10mmを使用しました。 旧購入品Aと新購入品Bを同じ分析条件で測定しています。
- 測定装置:島津製作所 EDX-7200
- 比較試料:旧購入品A/新購入品B
- 購入時期:5年以上の差
- 分析径:10mm
- 測定雰囲気:大気
- 測定条件:4_Detail/6ch Air-Metal
- 比較対象:Ni・Cu・Fe・Cr
EDX-7200 実測・比較結果 /旧購入品A・新購入品Bを分析径10mmで比較
購入時期の異なる同一製品で
明確な元素組成差を確認
旧購入品AではNiを主体とする組成傾向を示した一方、 新購入品BではNiが低下し、旧購入品Aでは主要成分として確認されなかった Cuを38.544%確認しました。
| 主要元素 | 旧購入品A | 新購入品B |
|---|---|---|
| Ni(ニッケル) | 91.865% | 44.838% |
| Cu(銅) | ― | 38.544% |
| Fe(鉄) | 6.753% | 12.622% |
| Cr(クロム) | 0.895% | 1.259% |
同一メーカー・同一製品でありながら、購入時期の異なる2製品で 主要元素組成に明確な差が確認されました。 特に新購入品BではCuが主要成分として確認されており、 材料構成、表面処理、下地層などが旧購入品Aと異なる可能性を示す結果となりました。
稲100円銀貨の
黒ずみ・変色原因調査
同じ種類の稲100円銀貨について、金属光沢が残る試料Aと 黒ずみが生じた試料Bを各3箇所測定し、 表面近傍の元素組成差から変色に関係する元素を調査しました。
実測データ No.007/光沢品Aと黒ずみ品Bの外観比較
光沢品と黒ずみ品を
各3箇所で比較
黒ずみという局所的な表面変化を確認するため、 分析径1mmで光沢品A・黒ずみ品Bをそれぞれ3箇所測定しました。 1箇所だけの結果ではなく、複数箇所で再現する元素差を確認しています。
- 測定装置:島津製作所 EDX-7200
- 比較試料:光沢品A/黒ずみ品B
- 測定箇所:各3箇所・合計6測定
- 分析径:1mm
- 測定雰囲気:大気
- 測定条件:4_Detail_1mm/6ch Air-Metal
- 比較対象:Ag・Cu・Zn・S・Cl
EDX-7200 実測・比較結果/光沢品A・黒ずみ品Bの各3箇所測定と3点平均比較
黒ずみ品でS(硫黄)の
顕著な増加を確認
光沢品Aと黒ずみ品Bを各3箇所測定したところ、 黒ずみ品Bでは3測定すべてでS(硫黄)が大きく増加しました。 3点平均では光沢品Aの0.367%に対し、黒ずみ品Bは5.165%でした。
| 主要元素 | 光沢品A平均 | 黒ずみ品B平均 |
|---|---|---|
| Ag(銀) | 60.668% | 59.328% |
| Cu(銅) | 27.354% | 23.039% |
| Zn(亜鉛) | 9.415% | 9.300% |
| S(硫黄) | 0.367% | 5.165% |
| Cl(塩素) | 2.072% | 2.965% |
Ag・Cu・Znを主体とする基本的な組成傾向に対し、 黒ずみ品ではSが複数箇所で顕著に増加しました。 この結果から、黒ずみ部の表面に硫黄を含む生成物または付着物が存在し、 外観変色に関与している可能性が示されました。
分析結果から確認できる情報
ご依頼内容に応じて、 測定値だけでなく評価・比較・所見まで整理します。
試料・測定箇所
測定した試料・位置・測定箇所を明確にします。
元素組成・定量結果
検出元素と組成・濃度情報を整理します。
XRFスペクトル
元素判定の基礎となるスペクトルを確認します。
材質評価
元素組成と材質規格の整合性を評価します。
比較結果
正常品・不良品などの材料差を整理します。
RoHS・有害元素
対象元素のスクリーニング結果を整理します。
膜厚・めっき
表面層・下地・膜厚などを確認します。
分析担当者の所見
測定結果から読み取れる内容を整理します。
サービスによって、
分析結果の「深さ」が変わります
測定後にどこまで評価・比較・調査を行うかによって、 ご提供する内容が変わります。
| サービス | 測定結果 | 材質・評価 | 比較・調査 | 所見 | 基本料金 |
|---|---|---|---|---|---|
| 基礎元素分析 | ● | - | - | - | 5,500円~ |
| RoHS・有害7元素分析 | ● | スクリーニング評価 | - | 評価コメント | 16,500円~ |
| 材質評価 | ● | ● | - | ● | 33,000円~ |
| 膜厚・めっき分析 | ● | ● | 必要に応じて | ● | 55,000円~ |
| 製品・部品比較分析 | ● | ● | ● | ● | 66,000円~ |
| サイレントチェンジ調査 | ● | ● | ● | ● | 110,000円~ |
| 不具合・原因調査 | ● | ● | ● | ● | 132,000円~ |
| 総合材料調査 | ● | ● | ● | ● | 198,000円~ |
分析結果を、
「説明できる資料」に。
社内品質管理、仕入れ先への確認、 取引先への説明、案件記録などに使用する場合は、 正式分析報告書を追加できます。
正式分析報告書に含まれる主な内容
- 試料情報・測定箇所
- 測定条件
- 分析結果・測定画像
- XRFスペクトル
- 比較データ
- 分析結果に基づく所見
掲載している実測データについて
本ページに掲載している試料写真・測定結果・分析画像は、
にじや分析ラボにおいて実際に測定・作成したデータです。
掲載している測定結果は各掲載試料について得られた結果であり、
同種のすべての材料・製品が同一の組成や測定結果となることを
示すものではありません。
実際にお客様へご提供する分析結果の内容、
測定条件、定量項目、評価範囲は、
ご依頼サービス、試料の材質・形状・状態、
測定目的によって異なります。
また、XRFによる測定結果および分析評価から確認できる範囲を超えて、
製造原因、規格適合、法令適合等を
断定・保証するものではありません。
「この試料なら、どこまで分かる?」
からご相談いただけます。
試料写真と、 「何を知りたいのか」 「どのような判断に使いたいのか」を お知らせください。 ご希望に応じた分析サービスをご案内します。
